従来の帯状疱疹予防ワクチン(水ぼうそうワクチン)に比べて飛躍的に効果の高い画期的なワクチンが <シングリックス> です
帯状疱疹を予防する2種類のワクチンを比較してみましょう

  • 水ぼうそうワクチン

予防効果は50%程度
予防期間は5年程度
接種は1回、費用は1万円前後(医療期間による)

  • シングリックス

予防効果は90%前後
予防期間は10年
2回の接種が必要、費用は2回で4万4千円前後(医療期間による)

比較をしてみるとまず接種費用の差がとても大きいことが分かります。
『水ぼうそうワクチンの予防期間が5年間で1万円なら5年ごとに2度接種すれば10年で2万円で済むのでは…?』と感じられた方も多いでしょう。

でもちょっと待ってください!
帯状疱疹は発症予防とその効果が非常に大切なのです。その理由を説明します。

<帯状疱疹とはどんな病気?>
帯状疱疹の正体は水ぼうそう(水痘)のウイルスです。子供の頃、水ぼうそうにかかった方も多いと思います。またかかった記憶が無くても水ぼうそうのウイルスに感染していることがあります。(これを不顕性感染といいます)
水ぼうそうのウイルスは病気(水痘)が治った後も身体の中に残って反撃の機会をうかがっているのです。

ではどのようなタイミングでウイルスは反撃を開始するのか?
・疲れが溜まっているとき
・ストレスを感じているとき
・睡眠が足りないとき、栄養バランスが乱れているとき
・癌などの重病にかかっているとき
・高齢者    などなど

これらに共通することはなんでしょうか?
それは 免疫力が低下している状態 です。
水痘のウイルスはその人の免疫力が低下したときに反撃を開始し<帯状疱疹>という病気となって発症するのです。

<帯状疱疹のやっかいな症状とは>
帯状疱疹の症状は特徴的なので罹患したことのある人はご存じだと思います。
水ぶくれを伴う発疹が体の片側に出現します。出現する場所に決まりはありません。お腹にできる時もあれば手足に出る時もあります。顔に出ることもあれば頭皮の中にできることもあります。そしてピリピリとした痛みを感じることが多いです。
ただ帯状疱疹には治療薬があります。飲み薬や塗り薬を使って治療します。多くの場合は2週間から1か月ほどで発疹は消失します。
しかし帯状疱疹の厄介なところは治った後の後遺症なのです。
いわゆる帯状疱疹後遺症というもので、頑固な神経痛(ピリピリとした、とても不快なもの)が数か月から長い場合は数年にわたって続くこともあります。
もちろん帯状疱疹はそれだけで死んでしまう病ではありません。でも下着が軽く触れただけで痛む、就寝中に寝返りしても痛む、じっとしていても突然ビリビリと痛み出す時がある、など日々の生活の質が極端に悪くなります。この痛みでノイローゼになる方もおられるほどです。
この帯状疱疹後遺症による神経痛の薬も無いわけではありません。最近は有効性の高い薬も開発されています。それでもそういう薬を飲んでピタッと止まるとは限りません。良くなったり悪くなったりを繰り返します。まためまいやふらつきなど薬の副作用もあります。
また帯状疱疹は1度罹ったら二度と罹らない、と思われている方がおられますがそれは間違いです。
帯状疱疹は繰り返し何度でも罹る病気です。

以上のことから、帯状疱疹は発症しないように予防することが一番の対策なのです。

<まとめ>
それを踏まえて先ほどの2つのワクチンを比較してみます。
従来の水ぼうそうワクチンに比べてシングリックスは予防効果が長続きする特長があります。10年間は80%以上の予防効果があると言われています。しかも50歳代に限ると97%の予防効果が確認されています。
これが50歳代にシングリックスの接種を勧める最大の理由なのです。
とはいえ接種費用は一番のネックになると思います。でも少し別の視点から考えてみてください。接種費用を4万円として10年効果が続くのであれば1年間4000円で予防ができるということになります。
また今年の4月1日より多くの自治体で帯状疱疹ワクチンの費用助成が始まります。でもこれは65歳以上の方限定です。
50歳代の方は65歳を待たずにいま接種することをお勧めします。そうすれば10年後ご自身が65歳代になった時に自治体からの費用助成を利用して再度のワクチン接種を受けることができ、さらに予防期間が延長されることになるからです。

帯状疱疹ワクチンの説明は以上です。
従来の水ぼうそうワクチンとの効果や費用の違い、ワクチンの副反応などもっと詳しく知りたい方はぜひ来院してご相談ください。パンフレットも用意しておりますのでご説明します。